日本人の「原点」とは?

いろいろな解釈がありますから、これが「正解」というものはありません。
「恥の文化」と述べたアメリカ人の学者もおられましたし、「武士は食わねど高楊枝」という「誇り」を大切にするのも、私たちの文化を表していると思います。
私たち「SSCパートナーズ」では「潔癖性」と考えています。
幕末に日本を訪れた外国人たちは、「安心と安全の国」、「庶民の間の信頼関係の高さ」について述べています。確かに決して豊かでない市井の人たちの家には鍵がありませんでしたし、お互いを助け合うネットワークがありました。

武士階級においては「武士道」という倫理がありました。
武士においては、なによりも「卑怯」であることを恥とし、朱子学からは「忠義」を説き、自分が仕えるべき君主に対しての規律がありました。
そして、武士は貧しかったのです。

支配階級でありながら、潔癖であり、志を高く持つことを考え、国のあり方、人間としての生き方を究めるようとしていました。

支配階級の考え方は、当然に他の階級に影響を与えます。たとえば「商人道」。
徳川時代の商売哲学には、他人からの信用を得ることが成功につながる最前の道という思想がありました。「三方よし」で知られる近江商人の哲学がそのひとつです。
商売というと取引相手と自分が良ければと考えがちですが、「売り手よし、買い手よし」に加えて「世間よし」が重要と考えた日本商人。
ドラッカーやフランクリンにも負けないマーケティングをしていたわけです。
「正直の大切さ」は、太平洋戦争に敗戦、社会体制のほとんどを変えられたにもかかわらず今日に続いています。
目先の利益を求めるのではなく、取引先と永遠とも思えるような長期的関係を大切にしたからこそ、現在の繁栄があったと私たちは信じています。

今は苦しいけれど、真面目に働けば報われるという考え方、長期的な利益を考えた方針、正直で勤勉という国は日本だけと思います。
日本人の価値観が、21世紀以降の世界の価値観となれば、もっと信じあえる世界に変化していくことでしょう。
正直、誠実、信頼・・・あらためて次世代に伝えたいと思います。